あなたの性格次第かな?
結論をひとことで言うと、これです。
どちらが面白いかは、その人の性格によって変わります。
将棋と囲碁、どちらも独自の面白さや深みがあって、どっちから始めるべきか迷いますよね。
この記事では、面白さや難しさはもちろん、負けた時の感情の違いや、対局後の文化の違いまで、両方を比べながら解説していきます。
「どちらが自分に合っているか?」が、読み終わるころに分かるはずですよ。
将棋が向いている性格のタイプ
負けず嫌いで、逆転した時の快感に燃えるタイプ。
こんな性格の人には、将棋がはまりやすいです。
勝ち負けのメリハリがはっきりしていて、
「今日は勝った!負けた…」
という手応えが、毎回欲しい人にも向いています。
定跡を調べたり、次の対局に向けて研究したりと、体系的に学ぶのが好きな人とも相性がいいですね。
また、藤井聡太さんのような、スター棋士の活躍を追いながら将棋を楽しみたい、という「観る将スタイル」でも楽しめるのが将棋の特徴です。
囲碁が向いている性格のタイプ
全体の流れや空気を読むのが得意で、じっくり考えるのが好きなタイプには、囲碁が合います。
勝ち負けよりも「今日はいい手が打てた」という、充実感を大切にしたい人にも向いています。
負けてもそれほど引きずらず、気持ちを切り替えやすい人。
こんな人は、囲碁の納得感のある終わり方と、うまく付き合えるでしょう。
また、長く続けるほど味わいが増すゲームなので、
「定年後の趣味として」
「生涯かけてゆっくり上達したい」
という人にも囲碁はおすすめです。
将棋と囲碁の特徴と基本的な違い
それでは二つのゲームの基本的な違いから、確認して行きましょう。
将棋と囲碁は、よく一緒に語られますが、実はゲームの性質がまったく違います。
すごく大雑把に言うと、将棋はチェス、囲碁はオセロに近いかな?
将棋は相手の王将を取る戦術ゲーム
将棋の目的は、相手の王将を取ること。(餃子じゃありません!)
盤面は9×9の81マスで、8種類の駒をそれぞれ決まった動かし方で操ります。
取った相手の駒を自分の駒として使えるのが、将棋ならではのルールですね。
序盤から終盤まで、一瞬一瞬の判断が勝敗を分ける、タクティカル(戦術的)なゲーム性。
将棋は「戦術のゲーム」と呼ばれることが多く、局面ごとに常にベストな手を探し続ける思考が求められます。
囲碁は多くの陣地を取る戦略ゲーム
囲碁の目的は、相手より多くの陣地を囲う(取る)こと。
盤面は19×19の361交点で、白と黒の石を使います。
ルール自体は、一見するとシンプルに見えます。
しかし、自由にどこにでも置けるぶん、最初はどこに打てば(置けば)よいか全くわかりません。(もちろんセオリーはあります)
オセロと同じで、角(四隅)を取ると強いですね。
囲碁は「戦略のゲーム」と呼ばれ、最初から最後まで一貫した大局観が必要です。
将棋のように明確なゴール(王将を詰める)がないぶん、自分で目標を設定しながら打ち進める感覚が特徴ですね。
どっちが複雑なゲームかを数字で比較
よく話題になるのが、「どちらが複雑か?難しいか?」という問題です。
分かりやすいように、数字の観点から整理してみましょう。
囲碁の方が組み合わせが多く複雑
囲碁の局面数は、およそ10の360乗ぐらいです。
将棋は10の220乗ほど。
単純な数値で見れば、囲碁の方が圧倒的に組み合わせが多いです。
つまり、パターン数が多いぶんだけ、複雑と言えるでしょう。
参考までに、オセロが10の60乗、チェスが10の120乗です。
これらから考えると、どちらも人間の想像をはるかに超えた難しさですね。
AIは囲碁の方が勝ちが遅かった
将棋のコンピュータソフトがプロ棋士に勝てるようになったのは、2010年代前半のことです。
一方、囲碁のAIがトッププロを超えたのは、2016年のAlphaGoによるもので、将棋より数年遅れました。
これは囲碁の局面判断が、AIにとっても将棋より難しかったことを表しています。
ただし、人間にとっての難しさとAIにとっての難しさは、必ずしもイコールではありません。
将棋は持ち駒のルールがある分、理論上は手数が無限に広がる可能性があり、複雑さの種類が囲碁とは違うのです。
囲碁は序盤、将棋は終盤が複雑
囲碁は初手の選択肢が361通りと、序盤が最も複雑です。
しかし、石を打つたびに盤が埋まっていくため、終盤になるにつれて選択肢は絞られていきます。
中盤を超えたあたりで、だいたい大勢が決しますね。
将棋は逆。
終盤に向かうほど、局面が複雑化します。
相手のワンミスで逆転できるのも、将棋の特徴です。
詰将棋の最長記録は1500手を超えるものがありますが、囲碁で1000手を超える対局は現実にはほぼ存在しません。
つまり「どちらが複雑か?」は、どのシーンで比べるかによって、答えが変わってくるのです。
どっちが面白い?ゲーム性の魅力を比較
複雑さの比較は、何となくわかったと思います。
では、純粋な面白さはどうでしょうか?
ここはゲームとしての特性と、実際の実戦から見ていきます。
将棋は駒の動きさえ覚えれば楽しめる
将棋の最大の魅力は、終盤の逆転劇にあります。
どれだけ劣勢でも、一手の妙手で形勢が一気に変わることがあるからです。
初心者でも駒の動きを覚えてしまえば、すぐに対局の流れを読めるようになります。
観戦しても、持ち駒の数を見れば優劣がある程度わかるため、プロの凄さを肌で感じやすいです。
「今、どちらが優勢か?」が見えやすいので、観る将(観戦を楽しむ将棋ファン)が多いのも将棋ならではの特徴でしょう。
囲碁は慣れるとハマる中毒性がある
囲碁の面白さは、じわじわと伝わってくるタイプです。
最初のうちは何をしているのか、サッパリわかりません。
しかし、ある瞬間から急にゲームの全体像が見えてきます。
盤全体を一つの宇宙のように見立てながら、少しずつ陣地を広げていく感覚は、将棋にはない独特の気持ち良さがあります。
慣れてくると中毒性が高く、
「将棋を覚えてから囲碁に移ったら、囲碁にドハマりした」
というファンもいます。
ただし、序盤・中盤は優劣がわかりにくく、観戦するには少し慣れが必要です。
まずは「生き死に」が分かるようにすることから始めましょう。
運の要素はどちらにもない
将棋も囲碁も、勝敗を左右するのは、ほぼ実力です。
麻雀のように運の要素で左右されることはなく、強い方が安定して勝ちます。
それが厳しさでもあり、純粋な頭脳勝負の面白さでもありますね。
負けた時の気持ちがこんなに違う
将棋と囲碁では、負けた時の感情の質がかなり違います。
どちらが自分に合うかを考える上で、これは意外と重要な視点です。
将棋で負けると悔しさが強烈
将棋は終盤まで逆転の可能性があるぶん、最後の最後に負けた時のダメージが大きいです。
「あの一手さえなければ…」という後悔が、どこにもぶつけ様のない怒りになることも…。
勝負の結末がはっきりしていて、勝ち負けのメリハリが強いのが将棋の特性です。
負けず嫌いな人には燃える環境ですが、感情の消耗が激しいゲームという人もいます。
囲碁で負けても納得感がある
囲碁のアマチュアレベルでは、中盤あたりでおおよその勝負がつくことが多いです。
そのため、
「これは負けたな…どうやっても逆転ムリ」
と、ある程度わかった状態で終局します。
なので結果として、負けを受け入れやすい心理状態であり、将棋のように「クッソー!」という感情はそこまで大きくありません。
「また打ちたい」という気持ちが湧きあがるのも、負けた納得感があるからです。
若年には将棋、高齢には囲碁
将棋の激しい逆転劇は、若いうちには刺激的で病みつきになります。
しかし、年齢を重ねるとそのハードさが、精神的にキツくなって来ます。
一瞬のミスや気のゆるみが、命取りになるからです。
最後の最後まで気が抜けません。
他方、囲碁は大局観で戦うゲームなので、経験を重ねるほど味わいが深まり、高齢になっても楽めます。
実力差が大きいと、序盤からジワジワと差を広げられ、中盤ではほぼ勝敗が決してしまいます。
終盤でワンミスしても、一発逆転にはなりにくいですね。
「生涯の趣味にしたい」という視点では、囲碁の方が長く付き合いやすいと言えます。
尚、僕は6歳で父に囲碁を教えてもらいましたが、何戦やっても父・祖父・叔父には一度も勝てませんでした。
ハンデをもらっても、全然勝てない。
たまにミスを突くことはできましたが、勝ちまでには及びません。
ワンチャンスで勝てるほど、囲碁は甘くはないのです。
感想戦の文化がまったく違う
将棋と囲碁の違いは、対局中だけではありません。
対局が終わった後の文化にも、二つのゲームの本質的な違いが表れています。
将棋は感想戦をすぐに1時間も行う
将棋では対局が終わったら、その場で即座に感想戦を始めます。
プロの対局では熱戦の直後から、棋士二人が1時間ほどかけて局面を振り返るのです。
熱が冷めないうちにすぐ振り返るのが、将棋の流儀。
勝負の興奮そのままに、局面を再現しながら、
「あそこはどうすべきだったか?」
を話し合う姿は、将棋らしい直線的なエネルギーを感じます。
囲碁の感想戦は時間を空けて5時間
囲碁は対局が終わったら、棋士たちはいったん別々に食事をして、風呂に入って気持ちを落ち着かせます。
そのあとで部屋に再び集まり、5時間に及ぶこともある感想戦を始めるのです。
将棋の感想戦が1時間なのに対して、囲碁は5時間。
それだけ囲碁の局面は複雑で、振り返るべき判断が多いという裏付けになります。
この両者の文化の違いからも、
・将棋が瞬間の読み合いを重視するゲーム
・囲碁が長期的な大局観を問うゲーム
であることが伝わってきますよね。
それにしても棋士たちは、よくすべての手を覚えているなって関心します。
素人は、まず覚えるだけでも大変ですからね。
感想戦で反省が深いほど上達も早い
感想戦は、ただの振り返りではありません。
次の対局に向けた、最高の学びの場です。
将棋でも囲碁でも、感想戦を丁寧にやる習慣が上達への近道となります。
良いことも悪いことも反省し、次に活かすのは何事にも共通して言えますね。
闇雲の打ち続けているだけでは、いつか限界にぶち当たります。
どちらのゲームに取り組むにしても、負けた理由を一緒に考える文化があることは、趣味として長く続ける上での大きな魅力です。
競技人口は将棋の方が多く仲間が多い
国内の競技人口は、将棋が約700万人、囲碁が約350万人と言われています。
仲間を見つけやすいのは、将棋の方ですね。
ただし、囲碁は国際的な広がりがあり、言葉が通じなくても世界中の人と対局できます。
海外旅行先で外国人と交流できるのも、囲碁の魅力のひとつです。
どっちが面白いかより、どっちが自分向きか
将棋と囲碁、どちらが面白いかという問いへの答えは、正直「人による」です。
それよりも、自分がどちらのゲームに向いているか?で判断しましょう。
・終盤の逆転劇に燃えたい
・勝ち負けにメリハリが欲しい
・定跡を体系的に学びたい
というなら、将棋の方が楽しめる可能性が高いです。
・大局を俯瞰(ふかん)する感覚が好き
・じっくり長く付き合える趣味が欲しい
・負けても納得して次に臨みたい
というなら、囲碁の方が合っていません。
感想戦の文化を見ても、将棋は熱量型、囲碁は熟考型という色が出ています。
どちらも、生涯をかけて向き合えるほど、奥の深いゲームです。
迷っているなら、まず両方を少しずつ触ってみることをおすすめします。
どちらかにはまる感覚があった方が、あなたに向いているゲームです。


コメント